2012年3月31日土曜日

Dawn-People発売前夜

Dawn-People発売前夜ということで(昼だけれど)今日はドンピー(こうやって略してね)のことについて書こうと思う。

2012年4月1日にdisk union限定発売するドンピーの1st[Dawn-People]。先日、初回分の出荷を終えました。その枚数が多いのか、少ないのかはわからないけれど、僕らのような名前もあまり知られていないユニットの数字としては喜んでもいい数だと思う。
相方の模彌にイニシャル枚数を伝えた時の喜びっぷりからみたら、想像は超えていたんだろう。それに、disk unionがインディーズだけでなく総合のNEWSとしても扱ってくれたことにもいたく感動をしていて、ああよかったと思った。小さなことかもしれないけれどこのリリースが今のぼくができる最大限だ。

グーミと同じようにぼくらは自分のことはほとんど自分でやる。出荷分のCDに紹介文のシールを貼るのも自分でやった。タイミング的なこともあって僕が一人でやったのだけれどその時にいろいろ考えたことがあるので今日はそれを書き記しておきたい。
相方の模彌とぼくは実は結構歳が離れていて、どれくらいかというと一緒に小学校に通えないくらいだ。今から七年前くらい、出会った時の彼は15歳くらいでドロバナというバンドでギターを弾いていた。その時の印象は「こいつ天才かも。radioheadのジョニーグリーンウッド的才能をもったやつだな」だった。それからバンドぐるみで遊ぶようになって、蔵フェスが始まったりもして、ドンピーの原型が生まれたのは2008年頃の蔵フェスの時。みんながバーベキューでお肉を楽しんでいるのに目もくれず、菜食な模彌と割と菜食よりなぼくが飯も食わずに長々とロングセッションをしていたのが始まり。それがきっかけで、模彌が温めていたアコースティックな楽曲を一緒に編曲していくことになる。それまではエレキギターを血だらけでかき鳴らす彼しか見ていなかったので本質的な人柄というか、激しさや思いの強さを持ちながらも生まれながらの人懐っこさを持つ性格が出ている音を面白く思ったのを覚えている。そして、その若さで自分にしか出せない音を追求したギターの変速チューニングに辿り着いていることに感心したし、何よりその音が僕のヴァイオリンとの相性がいいことをすぐに感じた。恐らく自分もなかなか他でできなかったヴァイオリンにおける挑戦ができるだろうと思った。

ここまで読んで気づく人もいるかもしれないが、このユニットの首謀者は僕ではなく模彌だ。グーミのこばたの別ユニットっていうのがわかりやすくてインディーズシーンにおける紹介では結構使われているけれど、実は違う。もちろん、完成させた音楽、それを演奏する時は対等であり、歳も関係なければ首謀者かどうかも関係ない。けれど始まりは彼にあり、それがまたすごく重要であることには違いない。でも彼は若いし、Dawn-Peopleが彼の求める表現の最終形態かどうかはわからない。でも僕は、もし彼にとってドンピーが過渡期のものであったとしてもそれに関わってみたいと思って始めた。厳密に言うと周囲の評価やオファーによって勝手に始まっていたんだけれど、だから尚更かもしれない。そこに身を置いてみるのもいいかもしれないって思った。でも性分というか、やり始めるとどんどん本気になっていってしまうもので、ドンピーならではの音や挑戦を楽しんだしドンピーでしかつながれない人とも繋がっていった。そんな風に始まったドンピーだけれど、今のぼくらには確かに求めている音楽があってそれをまだまだ続け、探求していく気がある。むしろこれからだ。


音楽的な面でいえば彼はポテンシャルの高さとは裏腹にアンサンブルというものをあまり知らなかった。才能はあるのにそれを人に活かしてもらうことも、逆に人の演奏を引き出すことで自分の才能が活きることも知らなかったように思う。僕は逆に類い稀な才能なんか持っていなかったけれど、アンサンブルについては彼よりきっと多少知っていたし一緒にやる上でそれだけは求めた。

Dawn-Peopleの演奏は二人がせめぎ合い、戦っているように見える部分も多いと思うけれど根本的に僕らは合わせることを優先している。二人しかいないから尚更かもしれない。その中でお互いを解き放ったり、重ねたり。活かし、活かされを繰り返す。

リリース作業をしていて気づいたのはこのワクワクが自分の音楽を世に出せるってこと以上に、模彌をついに世に出せるっていうワクワクだっていうこと。(まあ、僕の力ではそんな大それた事出来ないし、ぼくが待たせてしまっていたところもあるんだけれど)。彼はアングラポップたちや、蔵仲間の秘蔵っ子だったんだよ。

プロフィールでは2010年に活動を始めたって書いているぼくら。けれど実は2009年には能動的ではなかったにしろちょっとずつライブをしていて。CDにはボーナストラックとしてその頃のライブ録音が入っている。言わばDawn-Peopleの始まりの音だ。
逆に意図的に入れなかった曲もある。最近オーガニック系のイベントでよくやっている「ていねいに暮らそう」って言う唯一歌っている曲、インストの中に一曲でも歌詞のある曲があるときっとDawn-Peopleの音楽の意味の全てはそこにあると思われてしまう。でもそうじゃない。
言わばこれは模彌の処女作である。
できるだけ、できるだけ音楽以外のものをひっぺがして届けたい。
言葉も、特典も、アルバムタイトルも特殊なリリース形態もいらない。音楽とそのイメージを少し手助けする曲名さえあれば充分だ。


ああ、そうです。ぼくはそれを届けたいんです。
聴いてください。Dawn-Peopleです。

http://dawn-people.tumblr.com/

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